Q 事業主が、職場のパワハラを防止するメリットはありますか?

 平成24年、厚労省は「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議ワーキンググループ報告書」と「職場のパワーハラスメントの予防・解決に向けた提言」を発表し、そこでは職場のパワーハラスメントの概念とその防止策が記載されています。

 職場のパワハラを放置すると、当該従業員だけでなく職場の生産性が低下します。さらに、会社がパワハラを巡る法的トラブルを抱え込み、その損失は甚大です。

 したがって、会社の利益追求の観点からも、パワハラ防止策を講じることが急務となっています。


Q パワハラとは、どのようなものを言うのでしょうか?

 職場のパワーハラスメントとは、

 上述の報告書では、「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」をいいます。

 また、裁判例では、「職務上の地位・権限を逸脱・濫用し、社会通念に照らし客観的な見地から見て、通常人が許容しうる範囲を著しく超えるような有形・無形の圧力を加える行為」(ザ・ウィンザー・ホテルズインターナショナル事件 東京地判H24.3.9)と定義づけられています。


Q パワハラは、上司から部下へなされるものを指すのでしょうか?

  上述の報告書等によりますと、職場のパワーハラスメントは、上司から部下に対する暴行をイメージしがちですが、もちろんそれだけでなく、上司から部下だけでなく、同僚間や部下から上司にも行われ、つまり、働く人の誰もが当事者となり得るものであることが述べられています。


Q パワハラに該当する具体的な行為を教えて下さい。

上述の報告書は、パワハラの典型的な行為を以下のように定義しています。

(典型的なものであり、すべてを網羅するものではないことに留意する必要がある) 

①暴行・傷害(身体的な攻撃)

②脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言(精神的な攻撃)

③隔離・仲間外し・無視(人間関係からの切り離し)

④業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害(過大な要求)

⑤業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと(過小な要求)

⑥私的なことに過度に立ち入ること(個の侵害)

 

 

②と③については、業務の遂行に必要な行為であるとは通常想定できないことから、原則として「業務の適正な範囲」を超えるものと考えられる。

 

④から⑥までについては、業務上の適正な指導との線引きが必ずしも容易でない場合があると考えられる。こうした行為について何が「業務の適正な範囲を超える」かについては、業種や企業文化の影響を受け、また、具体的な判断については、行為が行われた状況や行為が継続的であるかどうかによっても左右される部分もあると考えられるため、各企業・職場で認識をそろえ、その範囲を明確にする取組を行うことが望ましい。 


Q ①暴行や傷害とは、どのような行為でしょうか?

典型的には、

・殴る、蹴る

・本人に向かって物を投げつける

・ネクタイを引っ張る

等が該当します。

これらの行為は、業務の遂行に関係するものであっても、「業務の適正な範囲」に含まれるとすることはできません。


Q ②脅迫やひどい暴言とは、どのような行為でしょうか?

典型的には

・皆の前で起立させたまま、大声で長時間叱責し続ける

・机を何度も激しく叩きながら威嚇する

等が該当します。


Q パワハラの予防策を教えて下さい。

 職場のパワーハラスメントを予防するために上述の報告書は、以下のような予防策を提言しています。

 

①トップのメッセージ

 ➣組織のトップが、職場のパワーハラスメントは職場からなくすべきであることを明確に示す

②ルールを決める

 ➣就業規則に関係規定を設ける、労使協定を締結する

 ➣予防・解決についての方針やガイドラインを作成する

③実態を把握する

 ➣従業員アンケートを実施する

④教育する

 ➣研修を実施する

⑤周知する

 ➣組織の方針や取組について周知・啓発を実施する 

三大ハラスメント研修のご案内は、宮崎はまゆう社労士事務所

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